映画監督である龍蔵と麻悠は、
働けど働けど常にお金がない貧乏監督コンビだ。
その理由は、売れない自主映画を定期的に作り続けているからである。
生活費も底を付いたある日、
二人は映画作りには避けて通れない「お金」について考え始める。
そんな夜、突然に旅人が来訪して二人に問いかける。
「お金って何ですか?」
二人はそれに答えることが出来ない。
それから家ではおかしな出来事が起こり始める。
突然黄金虫に変身してしまう龍蔵、
置いた覚えのない種籾や蜂の巣、
鉱石ラジオから傍受した異次元ラジオ、
定食屋さんで見る謎のCM…
その過程で二人は「地域通貨」という存在に出会い、
その実践者たちに話を伺う。
話を聞くうちに、普段何気なく使っている法定通貨の外側に、
とてもロマンチックな経済圏があることを認識する。
どこまでが二人の妄想で、どこからが現実なのか?
果たして二人は映画を完成させることが出来るのか?